統合失調症とは
統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすいという特徴も併せもっています。
患者さまの多くが10代から20代に発病しています。心の成長期に発病するため、人生で克服すべきさまざまな課題を抱えながらこの病と闘うという「つらさ」が重なります。 新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、多くの患者さまが完全かつ長期的な回復が期待できるようになっています。
統合失調症の主な症状について
統合失調症の症状は多彩なため、全体を理解するのが難しいのですが、主な症状には次のようなものがあります。
- 幻聴-実際にない声が聞こえてくる
- 妄想-実際にあり得ないことを信じる
- 思路障害-考えが混乱してくる
- 感情の変化がみられる
- 周囲には理解できない行動をとる
その他に、ストレスに弱い、対人関係が苦手、一度にたくさんのことができない、集中力・持続力が続かなくなる、生活リズムが乱れるなどの症状が現れる場合があります。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は、今のところ明らかではありませんが、進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化などが、発症の要因となることが多いようです。 ただ、それらは発症のきっかけではあっても、原因ではないと考えられています。
というのは、こうした人生の転機はほかの人には起こらないような特別な出来事ではなく、同じような経験をする大部分の人は発症に至らないからです。
統合失調症の治療
統合失調症の治療は、薬物療法と精神療法やリハビリテーションなどの心理社会的な治療を組み合わせて行います。2つの治療を組み合わせると相乗的な効果があることが明らかとなっています。
薬は脳内の神経伝達機構に働き、乱れたバランスを回復します。本人の不安をやわらげ、幻聴が聞こえないようにします。また、考えにまとまりをもたせ、再発予防にも効果があります。